前回は、京セラ美術館を訪問して臨時閉館の憂き目にあいましたが、予想外の動物園で癒されたり、カフェのオシャレ空間に満足したというお話。
今回は、京都でぜひ訪問したい!と思っていた本屋さんに念願叶って訪問し、急いでお土産を購入し新幹線に飛び乗るまで。
3月15日から18日までの京都旅行、いよいよ最終日です。
無事、なにごともなく旅のエンドロールを迎えることができるでしょうか。
https://hitsujico.com/kyoto-day3-2/
京都の個性派本屋の名店”三月書房”
この日も、京都は昨日に増して小春日和。
出発前に散々悩んで、あんなに頼りきっていたダウンコートが、すっかり邪魔になるほど。
午前中に、本来の目的の用事を済ませ、荷物のスーツケースを引いて、前からぜひ行ってみたいと願っていた「三月書房」へ向かいました。
三月書房という本屋さんいついて
寺町にあり、1950年に創業し、現在のご店主が3代目です。
一見すると、神田あたりにたくさんありそうな古本屋さんに見えますが、れっきとした新本屋。
独特の選書に定評があり、吉本ばななさんのお父さん、戦後の思想家であり詩人の、吉本隆明さんも通ったという逸話を持つ名店です。
入ってわかる”個性派”の意味
二条通を歩いて、11時過ぎにお店に到着してみてびっくり。シャッターが降りている・・・。
昨日の京セラ美術館が脳裏をよぎります。
今日も私が甘かったかぁ・・・と、ふとシャッターをよくよく見ると、とても小さな文字。
よくよくシャッターを眺めないとわからないような文字で「営業時間 12:00〜18:00」と書いてありました。
”よかった・・・午後から開店するんだ・・・”と思ったと同時に、シャッターだけで伝わる個性派を匂わせるような雰囲気に、なんともいえない感情。
少し時間を潰してから、再度12:00にお店に向かいました。
開店してみてさらにびっくり。え、新本屋さん・・・だったよね?と思うような店構えです。
新書店ともいい、新しく出版された一度も消費者の手元に渡っていない本を売る書店。いっぽう、古本屋は古書店ともいい、一度誰かに購入され読まれた本を売る書店。仕入れのルートや在庫管理の仕組みなどが違います。具体的には長くなるので割愛。
入り口には、上から、つげ義春さん(カルトコミック作家)さんのポスター、左には吉本隆明さんの写真があります。
街の小さな本屋さんにもありそうな、おすすめのポップやハウツー系の本、ベストセラー、ビジネス書は見当たりません。
当然、オリジナルの雑貨なんて一切ありません。
人文、社会科学、短歌などの文芸書が中心で、またそのラインナップもとても独特。
かと思えば、ジャズやコーヒーなども本もある。
小規模出版社の僅少本屋、自主刊行物もあります。
元々出版部数の少ない本屋、市場にあまり流通していない本。書店に在庫が少ない本も在庫僅少っていいます。
そして、なんと値引きされたバーゲン本が並べられた棚もあり、本当に品揃えが面白く、しかも絶妙な並び。
その本の並びに誘導されるように、次々に本を手に取り、店の奥に誘われます。
以前、訪問した下北沢の「B&B」もそうでしたが、読書欲をこれでもかと言わんばかりに刺激してきます。
https://hitsujico.com/shimokita-bb/
今はなくなってしまった出版社の本、他の本屋さんでは見かけない本ばかり。しかも、すべて新本。
京都に住んでいたら、きっと通ってしまうだろうなぁと思う、まさに名店でした。
4月中旬、地元紙などで夏までに店舗営業を「週休7日(休業)」することが報じられました。今後は、三月書房のHPなどを通じて本の販売や情報発信をされるそうです。興味ある方は、三月書房さんのHPをのぞいてみて下さい。
「街の小さな本屋」誠光社
楽しい書店というのは、お店に入ってそこで棚に並ぶ本の背表紙を眺めているだけで、たくさんの刺激があって、好奇心を刺激してくれます。
三月書房さんで、そんな刺激をたくさん受けて、さらに向かったのが誠光社。
河原町の路地裏にある、小さな本屋さんです。
誠光社という本屋さんについて
2010年にイギリスのガーディアン紙が発表した「The world’s 10 best bookshops」にも選ばれた京都の有名本屋さん「恵文社一乗寺店」。
その恵文社で、店長さんを努めていらした方が2015年にオープンさせた書店です。
ポップカルチャーで溢れる店内
三月書房から京都御所に向かって歩き、通りを数本奥に入った、その通りの街並みに馴染むように誠光社はありました。
とてもかわいらしい、小さな本屋さんです。
入ってみると、こちらも三月書房同様、ハウツー本やビジネス書などは全くありません。
とても綺麗な装丁の、おしゃれなかわいい本がずらっと並んでいます。
パッと見渡しただけで、生活が楽しくなりそうな、ページをめくるのが楽しくなりそうな本の数々。
こちらも、店主さんがこだわって本を選ばれていることがとてもよくわかります。
「これを読めばぜったい役立つ知識が身に付く!」と思わせる本は一冊もありません。映画や音楽などの本が中心。マンガ、古本などもあります。
まさに、本が嗜好品。どれもこれも楽しそうな本ばかり。
子供向けの絵本もたくさんありました。
また、奥に進むと小さなギャラリースペースと、CDなどが並ぶスペース。
とても小さな書店なのですが、まさにポップカルチャーで溢れる店内。
夢中になって、次から次へと素敵な装丁の楽しい本を探して夢中になってしまいます。
小さな書店だと思って入ったはずなのに、ふと気がつけば、だいぶ長い時間本を探していました。
ここも間違いなく、京都にいたら通っていたであろう本屋さん。
ずっとずっと行ってみたいと思っていた、この本屋さん二店舗。
共通して、大型書店では取り扱わない僅少本や、トレンドではない本などを含めて、店主が選書し、陳列し、溢れる存在感がありました。
やっぱり、書店って楽しい。
ネットでクリックでお買い物できちゃうけど、翌日には手元にお届けできちゃうけど、やっぱり人の手を通してしか出会うことができない本がある。
大好きな書店巡り。大満足でした。
そして、忘れていません。お土産大作戦。
書店巡りに浮かれていますが、刻一刻と新幹線のタイムリミットが迫っています。
次回、怒涛の勢いでお土産を選び新幹線に飛び乗ります。