長い長い梅雨が明けて、8月。ようやく東京に夏がきました。
とは言っても、今年は海外にはいけません・・・。
今年は都内で、ソーシャルディスタンスを保って、楽しめることを!
というわけで、ちょうど見頃をむかえていた上野公園の蓮の花を見に行ってきました。
蓮の花は、朝の早い時間しか花が開かないということで、がんばって早起き。ついでに、上野公園をのんびりお散歩してきました。
梅雨があけた途端に、突然の猛暑の東京。しかし、思いがけず涼しい時間の充実の朝活でした。

東京のオアシス上野恩賜公園

蓮の花が咲いているのは、上野恩賜公園(通称上野公園でおなじみ)の不忍池。
場所は、JR上野駅から徒歩5分ほどの場所です。
パンダで有名な上野動物園、正面入口のすぐそばです。
最近は、残念ながら外出時自粛の影響で、少ないですが、休日になるとカラフルなスワンボートを楽しむ人たちがいて、とても平和な光景を眺めることができる場所です。
東京の蓮の名所「不忍池」
東京都内には、いくつかの大きな公園で蓮を見ることができますが、上野公園の不忍池もそのひとつです。
古くは、江戸時代の浮世絵にも登場する不忍池の蓮は、長い間夏の楽しみとして、東京の人たちに親しまれてきました。
第二次世界大戦中には、食糧不足を補うために水田になるなどの紆余曲折も経ていますが、多くの人の希望により、また蓮の花が復活しています。
江戸時代から、楽しまれていた夏の風景かと思うと、凄い歴史を感じて感慨深くなってしまします。
蓮の花と仏教の関係

蓮の花は、古くから神聖な花として、仏教と深い繋がりのあるお花です。
蓮の花が、極楽浄土のイメージがある方も多いのではないでしょうか。
それは、中国の有名な儒教学者が詠んだ『愛蓮説』の一説にある
予独愛蓮之出淤泥而不染(蓮は泥より出でて泥に染まらず)
から来ているそう。
蓮の池の底の泥から成長して茎を伸ばし、綺麗な花を咲かせる姿が、善と悪が混在する人間社会に、悟りを開いた菩薩にたとえられたそう。
そのため、極楽浄土に咲くのにふさわし花として、尊ばれ、仏像は蓮の花の台座に座っていたり、蓮の花を持っていたりするようです。
日本の仏教は、中国を経由して伝わっているので、儒教の影響を強く受けてますね。
なので、お寺の池などで栽培され、縁起物として根っこの蓮根は、お正月のおせちに入っていたりします。
上野公園も、江戸時代はすべてが寛永寺の敷地だった場所。なので、不忍池には古くから蓮が咲いていました。
蓮の花は午前中勝負!
蓮の花はの見頃は、朝7時〜8時くらい。9時〜10時頃には、つぼみが閉じてしまいます。
そのため、私もがんばって早起きをして、朝7時半に上野公園の不忍池に到着しました。
いくら蓮の花が綺麗だからって、こんな朝早いから人なんでいないだろう・・・と思っていたのですが、とんだ間違い。
私が到着した時には、いたるところに花を見にきた人がいました。
のんびりと、不忍池の周りをお散歩しながら、蓮の花を眺めている人や、大きな望遠レンズのカメラで蓮の写真を撮る人。
皆さん、それぞれに蓮を楽しんでいました。
本当に極楽浄土の様な景色でした

私も早速、蓮がキレイに見える場所を探して、池の周りをお散歩スタート。
いたるところに、ポツポツと蓮が咲いています。
ちょうど、不忍通り近くまで来ると、池の中にせり出した、桟橋の様な歩道があり、その中を通ってみることに。
そこは、まさに蓮を見るためのベストスポットだった様で、一面大輪の蓮が咲いていました。
遠くには、公園沿いの高層マンションがそびえ立ち、その手間には、蓮の花ごしの上野弁天堂。
高層マンションがいかにも都心の公園という感じですが、その現実感がまた蓮と上野弁天堂の非現実感を際立たせていて、まさに極楽浄土という感。
朝の澄んだ空気が心地良くて、本当に清々しい光景でした。
朝、早起きして来てよかった〜。これは、早起きしてでも見たいというのも納得。
せっかくだから東京のオアシスをお散歩して朝活

蓮の花の清々しさを存分に堪能して、公園の近くで軽めの朝食を食べて大満足!だったのですが、せっかく早起きしたので、上野公園をお散歩することにしました。
かなり見所満載!上野公園

上野公園は、春は桜の名所としても知られていますが、上野動物園をはじめとした、さまざまな文化施設が密集していることでも知られる場所。
また、あの有名な「上野の西郷さん」こと西郷隆盛像があるのも、上野公園です。
上野のパワースポット清水観音堂

上野公園を、正面口から少し進んでいくと、清水観音堂が見えてきます。
この清水観音堂は、京都の清水寺から観音菩薩像が奉納されたことで、京都の清水寺の舞台造りをまねて作られました。
なので、京都の清水寺よりは少し小さいですが、”清水の舞台”があります。
まさに、不忍池を見下ろす絶景の場所にあります。
ここには、浮世絵「名所江戸百景」の、「上野清水堂不忍ノ池」と「上野山内月のまつ」に絵が描かれている”月の松”という、枝が満月の様にまあるく伸びた松があります。
実際に江戸時代に存在し、明治初期まであった様ですが、台風被害でなくなってしまいました。
それを、2012年に、江戸の風景を復活させるため、150年ぶりに復活させ、現在も江戸時代を思わせる風景を眺めることができます。
月の松の、まあるい枝の内側からは、浮世絵の通り、不忍池の弁天堂をのぞくことができます。
清水観音堂のご利益は、開運・厄除、祈願成就、病気平癒、夫婦円満、恋愛成就、子授けなどなど、たくさんのご利益があります。
まさに上野のパワースポットと言われる所以です。
そして、お参りすると、住職の御朱印をいただくことができます。
清水観音堂で、上野大仏、清水観音堂、仏塔の3つの御朱印をいただくことができるそうです。
上野にも大仏があります

今回、私はお散歩コースとして歩きませんでしたが、上野にも実は大仏があります。
実際には、「あった」という方が正確なのですが、今でも顔だけは残っています。
関東大震災の際に、損壊して、頭部が落ちてしまい、修復できずに、第二次世界大戦に突入。
胴体部分は、戦時の金属供出(当時は、兵器用の金属がとても不足しており、お寺の鐘なども供出されました)でなくなってしまいました。
なんとも悲しい運命を辿った大仏ですが、動体を失ってしまった顔のみの大仏に、「これ以上落ちない」という意味で、「合格大仏」とも呼ばれ、受験シーズンには多くの受験生達が参拝するそうです。
やっぱり、顔だけになっても大仏様は、ご利益があります。
国内有数の文化と芸術の場所
上野公園周辺は、日本国内でも有数の、文化・芸術の施設が密集しているエリアです。
公園周辺には、東京芸術大学や、国際子ども図書館があり、公園内部にも日本を代表する美術館、博物館が密集しています。
東京都心唯一の世界遺産

JR上野駅の、公園口を出て、上野公園へ入ってくるとすぐ、左手に見えてくるのが、国立西洋美術館です。
この見えている本館の設計は、世界的に有名なフランスの建築家ル・コルビュジェのもの。
現在、世界中にある17のコルビュジェ建築は、「ル・コルビュジェの建築作品ー近代建築運動への顕著な貢献ー」として、ユネスコに世界文化遺産として登録されています。
そして、この美術館もそのひとつ。
東京都心にある、唯一の世界遺産です。

また、庭には、ロダンの有名な彫刻「考える人」や、同じくロダンの未完の大作「地獄の門」などが展示されています。
結構、さらっと存在していますが、世界有数の芸術作品が、外からも見える形で展示されている場所なんです。
東京国立博物館と国立科学博物館

さらに、奥の方へ進んでいくと、展示されているSLが見えてきます。
ここが、国立科学博物館。
ここには、さまざまな科学にまつわる日本の文化財などが展示されています。
現在の東芝の前進である田中製作所時代の創始者によって作られた機械式の置き時計や、明治政府がイギリスから輸入した天体観測用の望遠鏡など。

また、隕石や鉱物、化石などの展示もとても充実しています。
その博物館をバックに建っているのは、「野口英世像」。黄熱病や梅毒の研究などで多大な功績を残した、日本が世界に誇る細菌学者です。

戦後、野口英世の偉業を後世に残そうと、立てられた様です。
その銅像を過ぎて、上野公園の噴水広場を抜けて上野公園のはずれに来ると、見えてきたのが東京国立博物館。

日本と東洋の文化財を収集保管しており、国宝が89件、重要文化財644件という膨大な文化財が収蔵されています。
この建物は、京都の京セラ博物館と同じく、和洋折衷の帝冠様式と呼ばれるもの。

1974年には、かの有名な、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」が展示されたり、ツタンカーメンや、フランス革命を描いた「民衆を導く自由の女神」なども過去には展示を行っています。
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品で、モナ・リザに次いで有名な「受胎告知」は、アジアで初めて展示を行っています。
いはやは、もうすごい博物館で、日本の世界に並ぶ博物館なのです。
ちなみに、台湾の国立故宮博物院のヒスイで作られた白菜「翠玉白菜」も過去に展示を行っています。
世界の有名博物館が、代表的な作品を日本で展示を行う際に、まず名前があがるのが、この東京国立博物館なのです。
こんな、すごい美術館・博物館が徒歩3分圏内に密集しているなんて、世界広しといえども、上野くらいではないでしょうか。(大袈裟)
上野公園はただ散歩するだけの朝活で満足できる場所

上野公園恐るべし。
ただただ、散歩しただけで、この満足感。
少し朝早起きして、お散歩しただけなのですが、とっても楽しい場所でした。
これでも、まだまだ上野大仏は見ていないし、上野東照宮や国際子ども図書館など見たいところはたくさんありました。
また、今度はゆっくり桜の季節に足を運んでみようと思います。