東京の下北沢、通称シモキタは、演劇や音楽などのサブカルチャーが育ってきた街。
渋谷や恵比寿、自由が丘など周辺の街と比べても、とても個性的な雰囲気を持つ街です。
俳優さんなどでも、下北沢で若い頃はバイトをしていて・・・という話をたまにテレビで話していたりしますよね。
あまり大きくない街ですが、とてもユニークで自由な空気があり、独特の魅力がある街です。
そんな下北沢に、これまたとても楽しい本屋さんがあるので行ってきました。
2020年の3月19日に、以前の店舗から同じく下北沢の「BONUS TRACK」の2Fへお引っ越しされました。
内装も新たにますます魅力アップされているようです。
現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、予約制にて営業を再開しておられます。
ご予約される場合はこちらから確認できます。
世界からみてもクールな街だぜ下北沢

下北沢は、本当に便利な場所で、都心の新宿にも渋谷にも電車で10分というアクセスの良さ。
古着のお店がいたるところにあり、個性的なカラフルな雑貨屋さんが立ち並んでいます。
そんな楽しい街下北沢は、実はイギリス発の世界各国で発売されている情報誌「タイムアウト」が発表した”世界でも最もクールな50の街”のひとつに選ばれています。
街自体があまり商業的な開発が進んでおらず、しかし流行に敏感で、サブカル愛に溢れた都心の小さな街です。
そんな下北沢のB&Bについて

そんな、個性的でクールな街にあるこの本屋さんなのですが、コンセプトがとても面白いんです。
B&Bは「これからの街の本屋」です
では、実際にどんなところが”面白い”のかというと、B&BのHPを覗いてみると
「「B&Bは「これからの街の本屋」を目指します。
本には「知」や「エンターテインメント」、大袈裟にいえば「人生のすべて」があります。それは素晴らしい「無駄」に満ちあふれています。
そんな本との「偶然の出会い」を街ゆく人の日常の中に生み出すべく手を尽くすこと。
それが「街の本屋」の役割だと、私たちは考えています。
待ち合わせのついでに、せつない恋を描く小説に出会う、買い物の帰りに、宇宙の仕組みをひも解く本に出会う……。
そんな出会いを提供する「場」になりたいと思います。
また、私たちは作家との語らい、本好き達の集い、読書の時間を楽しくする雑貨など「本」の世界につながるさまざまなサービスも提供していきます。
検索すれば見つかるネット書店とも、すべてを網羅する大型書店とも違う、ちょっとした時間に、知らない世界と繋がる「場」。
「無駄」たっぷりのセレクトで、皆さんにたくさんの「偶然の出会い」をお届けしたいと思います。」
とあります。
つまりは、本屋さんですが本以外の価値も提供し、ただ本を売るだけでなく、読書というものをいろいろな形を通じて体験して欲しいというもの。
たしかに、ただネットで買うだけではできないもの、それが体験。
そこがポイントのようです。
ビール片手に本を物色
このお店の名前の由来は、Book&BeerのB&B。
お店に入ると、お店の奥にカウンターがあり、そこでビールを購入することができます。
もちろん、ビール以外にも、ワインやコーヒーなどもあり、ドリンクを片手に買いたい本を探して、店内をみて回ることができるのです。
本をただ買うというだけでなく、本を選んでいる時間から全て本を読むことの体験として味わうことができます。
そして、気になる本が会ったら少し座ることができるスペースも。ずっとここにいてしまいそう・・・
本の並べ方に特徴あり「文脈棚」

さて飲み物を片手に、ぐるっと店内をみて回ると・・・あれ・・・本の並べ方が違う。
じっくりみて回ると、隣り合う本同士に意味がある文脈棚の陳列であることがわかります。
なにこれー楽しい。
これは、この文脈棚の本屋さんは、たまに都内でも見かけます。
自分の関心ごとの本を探していると、違う本も芋ヅル式に発見してしまい、どんどん抜け出せなくなってしまうやつです。
おー、リアルウィキペディアや・・・。
文脈棚は、隣の本との違いで考えるヒントを示し、意味繋がりから意味をの価値を出す並べ方で、ただ似た内容の物だけを並べれば良いというわけではないのがポイント。
意味の結び方は、選書し陳列するコーディネーターの手腕。目利きが必要な並べ方です。
それが、一部だけでなく、店内全体。
ビジネス書にマンガ、哲学書に文学、その1冊1冊が普通の本なのに、ずーっと眺めていると、なんだか新しい本を提案されているような気持ちになってきます。
しかも、発行部数が少ない僅少本もかなりの種類揃えていらっしゃるようで、棚を見て回るだけで、発見だらけになります。
吉本ばななさんの『下北沢について』のオリジナル装丁本もありました。
他にも、気になる本がたくさんありました。
本棚も売ってる本屋さん

そんな楽しい本屋さんなのですが、入ったときに感じるほっとした感じ。このお店、本棚がそれぞれ違うんです。
通常の書店の、備え付けの本棚ではなく、家具としても実際の家庭で使われているような本棚を使用しています。
そして、なんと、その本棚が気に入ったものがあれば購入できます!!びっくりしました。
確かに、本棚欲しいなぁ〜と思っても、本を入れてみるとまた違って見えたりするもの。
購入するときは、本が入っていないことが多いので自分の脳内再生だけが頼りでしたが、ここでは本が入った景色を見て購入ができます。
本棚は北欧の中古品だそうで、家具屋さんからのレンタル。なので、気に入ったら、家具屋さんがメンテナンスして届けてくれるそうです。
まさに、本を取り巻く全てのものがある本屋さん。
ちなみに、本棚だけでなく、ランプや椅子などにも値札がついていたので、購入ができるようでした。
オススメはやはり”旅”にまつわる本のコーナー
どの本棚もとても魅力的でしたが、私は個人的には、やはり”旅”にまつわる本が集まっていた棚がとてもオススメです。
日本国内はもちろん、アジアやヨーロッパ、中東や南米まで、本当にいろんな場所の旅のエッセイの本や文化の本が並んでいます。
これまで旅行した旅先の本を眺めてみたり、これから行ってみたい場所の本を眺めてみたり。飲み物片手に、もう時間があっという間に過ぎてしまいました。
かわいい雑貨もあり。毎日イベントなども行われています

店内には、他にもかわいい文具や雑貨もたくさんあり購入できました。
また、毎日いろんな人を招いてイベントを行っています。
文学関連に限らず、食や、生活に関するものまで、とても様々なイベントがあります。
とても面白そうなイベントが盛り沢山でした。
興味ある方は、ホームページを覗いてみてください。
下北沢発「これからの街の本屋」B&B まとめ
とても楽しい本屋さんで、ゆったりと時間を過ごしてしまう、魅力的な本屋さんでした。
お店を出る時に、ふと思ったのが、ここって新刊書店(古本ではなく新しい本を売る書店)だよなぁと思って、また驚きでした。
新刊を売っているのに、このゆったりとした時間の流れと、本の棚から見つかる新しい興味深い本の数々。
なんか、本好きな友人の家の本棚を眺めている気分になります。
そして、飲み物を片手にじっくりと本棚を巡る時間や、イベントなどで知る新しい本の読み方などは、リアルな書店でしか買えない体験なんだと実感しました。
興味ある方は、ぜひクールな街下北沢にある、楽し書店B&Bへ行ってみてください。
東京下北沢発「これからの街の本屋」B&Bがとても楽しい本屋さんでした。
「B&B」のオーナーである、内沼晋太郎さんの、2013年に出版された本です。
「B&B」の収益モデルなどがオープンに書かれています。
出版業系だけでなく、モノが売れな時代のモノの売り方として注目されています。