旅行記

加計呂麻島の静かで綺麗な場所|島尾敏雄文学碑を訪れ島の歴史を知る

巨大ガジュマルで不思議な時間を過ごしたあと、さらに車を10分ほど走らせて次の目的地へ向かいます。

まだまだ加計呂麻島の観光は続きます。

前回の「奄美大島旅行2泊3日(プラン2日目/前編)」からの続きです。

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奄美旅行2日目プラン4.島尾敏雄文学碑へ行く

私が、今回の奄美旅行でどうしても行きたいと考えていた場所のひとつが、ここ「島尾敏雄文学碑」。

今回はこれを見るために加計呂麻島に来ました。

『死の棘』という小説の舞台となった場所で(満島ひかりさんが主演で映画化もされています)、戦時中の特攻艇部隊(船による特攻部隊)が配置された場所。

文化遺産となっている場所なのでぜひ行ってみたかった場所でした。

 

小説『死の棘』の舞台

この『死の棘』という本は、夫の不倫を知った妻が精神的に追い詰められ、ひたすらにわびる夫との関係を通して夫婦の絆を問いかける壮絶な人間記録です。

この小説を初めて読んだ時は、途中読み進めるのがつらくなるほど重い内容で、苦しい本だという感想でした。

しかし、読み終えた後も強く心に残り、あれほどのドロドロとした人の心の動きを、文字にしてさらに文学にまで昇華したことに、すっかり魅了されてしました。

その後、著者の事を知り、小説のモデルとなった妻(島尾ミホ)との出会いの舞台となった加計呂麻島に、文学碑があると知り、ずっと来てみたいと思っていた場所でした。

文学碑があるのは、呑之浦という入江の集落。

著者の島尾敏雄は、戦時中にこの場所にあった船による特攻部隊の隊長として横浜から赴任し、小説のモデルとなった妻と出会い、結婚しました。

とても静かな森の、奥深い場所に記念碑はひっそりとありました。特攻部隊の基地が置かれただけあり、複雑に入り組んだ入江なので、とても静か。

ここに来る前に訪れた、於斉のガジュマルよりもずっと静かで、ひっそりとした美しさがあり、ここが激しい世界大戦の舞台になったという事実が、より一層、心に、この場所の静けさと美しさを印象づけました。

文学碑の後ろには、少し登る階段があり、その場所には亡くなった、著者の妻の希望で、分骨された著者と妻の遺骨が収められたお墓があります。

ここでの出会いと、著者の存在が、どれだけ妻にとって重要だったかがわかります。

 

第18震洋隊跡

文学碑からさらに奥に歩いていくと、尾敏雄が配属された特攻艇の震洋隊跡が、現在もきれいな状態で保存されています。

実際には、8月13日に特攻命令が降りますが、出撃発進の待機中に終戦を迎え、出撃することはなかったそうです。

こんな、小さな船で入江から外の海へ繰り出していたのかと思うと、やはり戦争って、いろいろと考えさせるものがあります。

島尾敏雄は、この経験も小説にしているそうなのですが、私はいまだに『死の棘』の衝撃が大きくて、読むことができないでいます。

でも、いつかゆっくり読んでみたいと思います。

 

奄美旅行2日目プラン5.スリ浜で海と空の青を堪能する

文学碑を後にし、まだまだ時間があったので、時間が許す限りいろいろな場所に行こうということになりました。

そして、せっかくだから、美しいビーチでのんびりしようと、スリ浜海水浴場へ向かいました。

 

秘境のリゾートスリ浜海水浴場

島尾敏雄文学碑からは15分くらい、周囲には宿泊施設がちらほらあり、少しリゾート感のある場所です。

そしてなんといっても、このビーチの美しさ!!どこまでも続く白い砂浜、穏やかな波、青くて透明な海!!

ちょうど私たちが訪れた時は、ウィンドサーフィンをしていたり、SAPの準備などをしていました。

ビーチから道を渡ったすぐの場所には、貸別荘や宿が数件。そこで、シュノーケリングやSAPの道具などもレンタルしてくれているようです。

そしてなんと!あの古仁屋の港で見た「海上タクシー」は、古仁屋の港からこのビーチまでダイレクトに連れてきてくれるそう。

海辺から宿に訪問するとか、そうそうできない体験です。

この静かできれいなビーチで、ただただボーッと散歩を楽しみました。

ここまで来て、何もせず自分たちだけで海で遊び、ボーッと過ごすなんて、とてもぜいたくな時間の使い方です。

時間がある限り、島を見てまわろうとしている私たちは、まだまだです・・・。

 

奄美旅行2日目プラン6.諸鈍のデイゴ並木

海を散歩した後、また10分ほど車で移動。途中はこれまたのどかな道を、しばらく走り、加計呂麻島で一番大きな集落、諸鈍(しょどん)へ行きました。

 

立派なデイゴ並木から歴史を知る

ここへ来たのは、海岸沿いに続くデイゴの巨木群の並木道を見るため。

南に面した大きな湾の、さらに奥の方にある長浜沿いに、樹齢200年以上の並木が続いています。

デイゴとは、マレー半島が原産の真っ赤な花が咲く落葉樹。毎年5月〜6月に、花を咲かせます。

なぜここに、これだけ立派な並木があるかというと、その昔琉球王朝との交易の際、港がわかりやすいようにと、真っ赤な花をつけるデイゴを植えたためと言われています。

ここ諸鈍は、国定重要無形文化財の諸鈍シバヤという踊りがあり、旧暦の9月9日に祭りで奉納されるそうです。

その奉納される大屯神社は、現代でこそ「神社」ですが、その昔は、琉球の信仰の女性祭司、ノロの神屋でした。

ノロは、琉球王朝がその昔王国各地に配置したものだそうで、この場所が昔からこの島の重要な拠点だったんですね。

諸鈍シバヤについて
鹿児島県公式ホームページ

さすがいろんな文化の影響を受けてきた場所、歴史を垣間見ることができました。

 

奄美旅行2日目プラン7.たくさん残されている戦跡

この日の予定は、日帰り。フェリーの時間も迫っていたのですが、フェリー乗り場から近かったこともあり、最後に安脚場(あんきゃば)戦跡を見ることにしました。

 

安脚場戦跡

旧日本軍の軍事施設があった場所で、その昔は砲台も設置されており、戦時中はこの地区の指令本部が置かれていた場所です。

海岸線から、車で登った高台にあり、現在も弾薬庫跡などが生々しく残されています。

金子手崎防備衛所からは、大島海峡が見渡せました。

やっぱり加計呂麻島はとてもきれいで、穏やかな場所です。

 

その日の内にフェリーで戻る

予想外にも天気もずーっと快晴。大満足の加計呂麻島でした。夕方16:30のフェリーに乗り、奄美本島へ戻りました。

 

奄美大島旅行2日目プラン 後編 まとめ

当初の予定を変更し、1日を加計呂麻島で過ごしたのですが、大満足の1日でした。

瀬戸内町は、奄美市市街地から結構離れているので、移動に時間はかかりますが、奄美へいくならぜひお勧めしたい場所です。

今回、レンタカーで島内を回ったのですが、まだまだ加計呂麻島の南側はほとんど行けませんでした。

のんびりこの秘境の島を味わいたいならこの島でしばらく滞在してみるのも良いかもしれません。

その際、加計呂麻島には小さな商店があるだけで、スーパーなどはフェリーが発着する古仁屋にいかなければ無いので、必要な物はあらかじめ購入してから、渡るのが良いと思います。

ただ、その多少の不便さを加味しても、十分満足できる素晴らしい経験ができる場所です。

加計呂麻島がある瀬戸内町の魅力が知りたい方はコチラ!
せとうちなんでも探検隊(瀬戸内町文化遺産活用実行委員会ホームページ)

 

 

今回おすすめの旅の本

『死の棘』 島尾敏雄

やはり今回はこの本。読むのにとてもエネルギーが必要ですが、さまざまな時代背景や、夫婦というものを考えることができます。

そして、ここまで追い詰められた人間の心情を文字として表現できる凄さ。私も、もう少し自分が歳を重ねたら、再読してみたい本です。

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hitujico/ひつじこ
hitujico/ひつじこ
九州の片田舎出身で、現在は東京都内に住んでいます。 好きなこと・興味関心は、旅行、本を読むこと、料理、美術館巡り、喫茶店巡り、文房具など。